GigaSt Ver4 |
主な特徴
1・ RFユニットを3--->2ユニット化して平面配置する事により体積が半分になりました。
MA基板部・重量 300-->200g
2・ PLLのクロックを100KHzに統一して完全シンセサイズ化しました。
水晶発振子をH8用の16MHzを基準
3・ バンド5を追加してスペアナの周波数を7GHzまで拡張しました。
1stミキサ−の3次ハ−モニック動作を利用
4・ RF入出力をSMAコネクタ−化 (50オ−ム)
5・ 周波数/レベルに対してオフセット機能を追加しました。
・周波数のオフセット機能により周波数変換を含んだ試料を測定した時
変換前の周波数で表示可能
・レベルのオフセット機能によりdBm/dBuなどの単位変換を自由に設定可能
6・ 通信ポ−ト番号の自動検索機能追加
7・ NF測定機能を追加
RFユニットはSP(上)とTGの2個構成 | コネクターはSMA 50オ−ム |
PCとはシリアルで接続 |
画像例
Ver4を使用したサンプル画像です。
クリックすると拡大して ご覧いただけます。
地上波デジタル放送の電波信号 470--536MHz |
TV信号CH 1 (左が映像 右が音声) |
携帯の電波信号 | 110度BS・CSのIF信号 |
1700MHz BPF特性 | 1700MHzBPFのリタ−ンロス特性 |
1700MHz BPF付きAMPのNF特性 | 7GHz 0dBmの信号 |
仕様
項目 | Ver.4 | Ver.3 |
スペアナ・入力周波数範囲 MHz BAND= 1 2 3 4 5 |
3------>1000 1000--->2000 2000--->3000 3000--->4000 4000--->7000 |
3------>1200 920---->2120 1880--->3080 2800--->4000 なし |
完全シンセサイズ化 | ● 基準Xtal H8の16MHz | 同期はとれていない。 |
スペアナ・最大入力レベル | 0dBm | 0dBm |
RF入出力インピ−ダンス | 50オ−ム | 75オ−ム |
RFコネクタ− | SMAコネクタ− | Fコネクタ− |
スパン MHz | 1000/500/200/100/50 /20/10/0 BAND=5は3倍 |
1000/500/200/100/50 /20/10/0 |
RBW(ResolutionBandWidth) | 200/50 KHz | 200/50 KHz |
最小周波数ステップ | 20KHz BAND=5は60KHz | 20KHz |
対数部のダイナミック・レンジ | 70dB | 70dB |
AD変換精度 | 10ビット | 10ビット |
TG機能 | ● バンド5は不可能 | ● |
バンド自動切替機能 | ● 切替リレ−内蔵 | ● 切替リレ−内蔵 |
SG機能 | ● バンド5は不可能 | ● バンドの制限なしで可能 |
PCとのインタ−フェ−ス | シリアルポ−ト | シリアルポ−ト |
電源 | 6v 400mA | 6v 350mA |
対応パソコン | PC/AT互換機 | PC/AT互換機 |
対応OS 2007-01-17 訂正 | WIN98SE/ME/ WIN2K/XP |
WIN95/WIN98/ME/ WIN2K/XP |
表示画面サイズ | 640*480 | 640*480 |
周波数軸プロット数 | 50*10=500 | 50*10=500 |
レベル軸プロット数 | 45*8=360 | 45*8=360 |
掃引時間 TGモ−ド スパン1000MHz RBW=200KHz |
6 秒 (2005年12月変更) | 11 秒 |
周波数特性補正機能 | ● | ● |
グラフデ−タ保存機能 | ● | ● |
グラフ色指定機能 | ● | ● |
グラフ種類指定機能 | ● | ● |
画面印刷機能 | ● | ● |
マウス・マ−カ−機能 | ● | ● |
クリック・移動機能 L / R | ● | ● |
dB単位変換機能 | ● | |
ピ−ク表示機能 | ● | ● |
TG 平坦化機能 | ● | ● |
PAUSE機能 | ● | ● |
HOLD機能 | ● | ● |
周波数のオフセット表示機能 | ● | |
NF測定機能 | ● | |
ご注意
このアダプタ−は対象を趣味用に開発した物で業務用/研究用には適しません。
特にマルチバンドの仕組みはイメ−ジを使っていますので不要なスプリアスが出てきます。
プリセレクタ−等は内蔵しておりませんので必要な方は適宜ご用意ください。
あくまでも”スペアナもどき”物なので応用される方は限界を十分把握した上で
自己責任の下に お使いください。
構成
Ver 4 のブロック図 |
PLLの関係式をまとめると
PLLの制御を最小STEP=20KHzに統一し その基準となるクロックを100KHzに統一した
事により完全シンセサイザ−化を実現しました。その100KHzもH8マイコンの16MHzクロックから
ソフト処理で取り出した物です。100KHzを外部入力に改造すれば 更に精度upする事も可能です。
PLLの周波数設定ではVer3では粗調整(2MHz)と微調整(20KHz)の複雑な組み合わせで
実現していましたがVer4では20KHz一本に統一して単調増加制御の単純な方式です。
この方式変更により波形に不連続が皆無となり余分な待ち時間を減らす事ができました。
これが掃引時間の短縮に貢献しています。
RFユニットの数を減らすために内部の周波数変換を一段減らしています。
433・9MHzから10・7MHzへ一挙に変換している部分がVer3とは異なります。
通信
PCとH8マイコンとの通信はシリアル通信で行います。
・ 通信速度は38400bps
・ バイナリ-転送
・ DATA=8ビット STOP=1ビット パリティ−無し
Ver4から通信ポ−トを自動検索して接続する機能を追加しました。
PCを変更した時や接続をUSB経由とRS232とを切り替えた時に便利です。
ただし検索時間がポ−トあたり1秒 1〜8の検索では最大8秒 必要です。
転送順序は番号順です。 |
USBで接続する場合は市販のシリアル<----->USB変換器を使います。
Ver3で動作確認のとれたモデルは以下です。
メ−カ− | 型名 | 備考 |
ELECOM | UC-Sシリ−ズ | |
RATOC | REX−USB60 | |
ARVEL | SRC06-USB | |
IO-DATA | USB-RSAQ2 | |
ELECOM | UC-SGT | |
ヒッツコミニュケ−ションズ | HITS−US091 | |
プラネックス | URS−03 | |
秋月電子 | M-00720 | 最安値 ¥1200 |
USB経由で5vの電源を直接取り込む事(MAX500mA)はGigaStの所要電流=400mA
から判断すると ギリギリ使えそうですが他のUSB機器との併用は無理のようです。
IC103(BA05) 3端子電源ICをパスしてUSB経由5vを供給する改造が必要なので
電源にリップルが多い時は対策が必要になります。
部品
MA04基板・回路図 |
部品表 L101訂正しました。 2007・01・01 |
ピン配列 |
・ケ−ス/測定用ケ−ブル/コネクタはKITに含まれていませんので各自で ご用意ください。
ケ−スはテイシンのTC-113に合うように設計しています。 サイズ 113x155x29
テイシン TC-113 の例 |
・NF-SG用のケ−ス/ケ−ブル/コネクタ−もKITに含まれていませんので各自で ご用意ください。
準備する工具
1・ 60W以上の半田こて 大型部品の半田付けには熱容量の大きなこてが必要です。
2・ 25W以下の半田こて チップ部品やICの半田付けには先端の細いこてが必要です。
3・ 拡大レンズ/ル−ペ 半田付けの状況確認用 (目の良い人には不要かも)
4・ テスタ− 半田付け確認用 R/L/Cの測定ができると便利です。
5・ ニッパ−/ピンセット/ラジペン
MA基板の組み立ては背の低い部品から先に実装します。またB面には
チップ部品が沢山あるので細かい部品を吹き飛ばさないようご注意ください。
ピンセットでつまんだ時は特に注意が必要です。
飛んでも紛失しないように箱の中に白い布を敷いて その上で作業をされた方が
ありました。
半田付けの手順として1つのランドに半田を少し盛っておいて
そこにチップ部品を載せ位置を決めながら半田付けします。位置が固定できてから
残りのランドにも半田付けを行います。こうすれば傾く事もなく きれいに実装できます。
●ZD101 HZK30 は淡青色がカソ−ドです。
製作に必要な資料はPDFでダウンロ−ドできます。 GigaSt v4 PDF (688KB)
2007年 7月 29日 V44で修正
MA04基板裏面 | MA04基板裏面の配置図 |
MA04基板表面 | MA04基板表面の配置図 |
ソフト導入
VISTA対応
完全なVISTA対応は使用しているドライバが古くて不可能です。
しかし多少速度が犠牲になりますが”互換性”設定で
”WIN-XP SP2互換”を行なえば可能です。
2008-01-25
・EXEファイルを右クリックして表示されるメニューの中からプロパティの設定をクリック
・表示される内容の中で”互換性”のペ−ジを開いて設定してください。
・設定完了後 ”適用”をクリックすれば終了です。
・起動すると途中で”管理者権限の許可”を求められたら”許可”してください。
以上の設定を最初に1回行なっておけば以後は通常起動ができるようになります。
対応OSはWIN98SE以降となります。 2007年 1月 17日
PCのソフトは自己解凍形式で圧縮されたGigaSt-V44を お届けします。
2007-07-28
ダウンロ−ド GIGAST-V44 (1・3 MB)
V44はPCのCPU占有率を改善しました。これでノ−トPCのバッテリ−保持時間を
改善できるようになりました。CPU占有率100%と特に悪かったのは
・描画中にRS232ケ−ブルを抜いた状態
・描画中にPAUSEをONにした時
V44ではCPU占有率が100%--->10%以下となりました。
途中でソフトをV44に切り替えた時のCPU占有率 CPU=P4 2・6GHz Win-XPの場合 |
まずハ−ドデスクの中にGigaSt用のフォルダ−を用意してください。場所はc:\windows
と同じドライブの中にあるc:\My Documentsの中で良いと思います。用意できたら
GigaSt-V44をクリックするとLhaPlusの解凍画面が現れるので先程用意したフォルダ−を
解凍先に指定します。そこで解凍ボタンをクリックすれば終了です。後はフォルダ−の
中にあるGigaSt44のアイコンをクリックすると開始です。
DLLやOCXのファイルはsystemフォルダ−内にある物が優先的に使用されます。
もし そのバ−ジョンが古い場合にはエラ−となってしまいます。
こんな時には対策1・2を行ってください。
対策・1 systemフォルダ−内の古いファイル名を変更して保存する。
これら古いファイルが他のソフトで使われていなければ
対策2は不要と思います。
対策・2 systemフォルダ−へGigaStフォルダ−内の新しいファイルをコピ−する。
H8のソフトはICの中に書き込んでありますので何も作業は必要ありません。
LhaPlusの解凍画面 | フォルダ−の中に解凍 |
起動した画面が間延びしていたら PCの設定を変更必要です。詳細はここ
大きいフォントが指定されている時 間延び画面が現れます。 |
操作方法
操作方法 |
デバッグ
1・MA基板の組み立てが完了したら もう一度電源系統に隣接パタ−ン間ショ−トが
ないのか/部品の逆マウントがないのか確認してください。
半田付け不良の例も時々ありますのでテスタ−で抵抗値/容量値を
確認する事も大切です。
2・ICを挿入して電源を供給し+5v +28vの出力を確認して下さい。
RFユニットを装着しないとき電源電流は約60mAです。
(H8が動作しないと+28vは出てきません)
3・IC101(H8)の26番ピンに100KHzのPLL用同期信号/DCコン駆動用パルスが
出ている事を確認してください。
H8の26番ピン 100KHzの波形 |
4・RFユニットを装着しないでソフトを走らせRS232ケ−ブルを接続すると画面は次のようになります。
電源OFFの時 | 電源ONしてPC--H8の通信が成立した時 |
電源を入れると自動でシリアル・ポ−ト番号を探します。約1秒ごとに1-->8へと
切り替えて探すので最大8秒待機してください。その間画面は電源OFFと同じ
状態です。PCとH8マイコンの間で通信が成立すると右図のような
画面となります。
この画面とならない場合はRS232-ICとH8回りに何らかの不具合があると思います。
それでもダメな時はPCを交換してみましょう。
ポ−ト自動検索はSetting画面のCOM設定が”AUTO”の時可能です。
禁止したい時はCOM=1〜8の中から設定してください。
5・ RFユニットを全て挿入して周辺の1Kオ−ムや0・1uFも半田付けします。
その後もう一度+5vの確認を行います。(電流は約380mA)
+28vラインはTG/SPのロ−カル周波数により31v〜25v当たりまで変化する
場合がありますが それで正常です。
6・センタ−周波数=0MHz スパン=10MHz RBW=200KHz Band=1に
設定した時次のような画面が出てくれば 次の”設定”作業に移ってください。
この段階では波形がY軸方向に大きくずれていても問題ありません。
7.不具合の原因 2007-03-05
せっかく組み上げたのに うまく動作しない時 その原因は単純なミスの場合が多いです。
一番多いのは抵抗1KΩの半田付け不良です。小さなチップ部品は肉眼では良く見えない
場合が多くてル−ペがほしい所です。しかし抵抗はル−ペを使わなくてもテスタ−で抵抗値を
測定するだけで確認できます。この時抵抗の電極に触れずに測定する事がポイントです。
H8の端子とユニットの端子間抵抗を測定するようにしてください。
その他の原因
●逆マウント ダイオ−ド/バリキャップダイオ−ド
●ユニット不良も偶にはあります。この場合はMA基板に組み付けたまま送ってください。
調整
スペアナの周波数特性とかレベルの単位変換とかNFの設定とか
グラフの色の設定などメンテナンスレベルの作業は主画面から隠れた
MENUの中にある”Setting”をクリックすると開始できます。
Setting最中は予想外の出来事が多いのでプログラムが 暴走する場合もあります。こまめにSAVEをしましょう。 |
周波数補正を行う時には測定器SGが必要となりますが それが不可能な時は
暫定として個別補正デ−タ XXXX・dat (XXXXは個別番号)をgigast・datと
ファイル名を変更して お使いください。
一通りの調整が完了したら最後に16MHzのXtal調整を行います。
調整場所はMA基板のVR101です。方法は3つあります。
この周波数の追い込みが周波数の精度を決めます。
1・ 16MHzの発振を直接拾って調整 (感度の良いカウンタ−が必要)
16MHzの発振回路にプロ−ブを当てて測定する事は誤差が大きくなるので
不可能です。16MHz発振子のケ−スにプロ−ブを当てる程度なら大丈夫です。
これでカウンタ−とかスペアナで検出できれば調整可能です。
2・ H8 26pinの100KHz出力で調整 (カウンタ−が必要)
ここは4 Vppの大きな信号があるので確実にカウンタ−を動作させられます。
3・ UHFの安定した周波数を基準にして調整
(CATVの場合は周波数をずらしている場合があります。確認要)
基準にできそうな信号としてUHF-TVの信号があります。その中でレベルの
大きな周波数の高いCHの映像周波数をCenter周波数に設定して波形表示が
JUSTとなるよう調整します。
変更した設定デ−タ−はテキスト形式のファイルに保存できます。MENUの中の
”File”をクリックして その中の”Save”をクリックすると”名前を付けて保存”できる
画面が出てきます。ここで上書きまたは新規名でSAVEしてください。
ファイル名を gigast・dat にすると起動時に自動で読み込んでくれます。
SAVEするデ−タは各種設定デ−タ以外にも画面のグラフ・デ−タも同時に
保存しています。その中身は下記の通りです。
保存するファイル数は自由に追加可能です。 |
保存したデ−タはMENU-->File--->Loadをクリックすると呼び出す事ができます。
(ただし保存したグラフ・デ−タは画面には再現されません。)
NF部の製作
MA基板上のNF用回路はIC101(H8)の35番ピンに掃引毎にH/L信号が
出力されているので この信号で10vをON/OFF制御してNF-SG用電源を
供給します。NFに関する調整はMA基板にはありません。
動作確認としては設定をスパン=1000MHzにして(掃引時間を最大にして)
行います。Q202コレクタ−に掃引毎に+10vと0vの切り替わる出力が
出ていれば正常です。
NF-SGの製作や測定方法の詳細については ここ を参照して下さい。
TG
TGの出力とスペアナの入力を直結した時の周波数特性は各バンド毎に概略
下記のようになりました。この波形はTG信号を入れた時(黄色)を基準として
ノイズレベル(紺色)の波形を重ね書きした物です。黄色で見えている部分が
広いほどTGのダイナミック特性が広い事を示しています。
TGの出力に飽和しない程度のAMPを追加すれば このダイナミック特性を
広げる事が出来ます。
TGの出力はCXA3068の出力に6dBのATTを付けて出力させた物で
ICの特性そのままに近いと思います。このICのIF出力は480 MHzが
設計中心で それ以外は規格対象外です。従って以下は実力です。
・50 MHz以下で大きく減衰する。
・2500 MHz以上で大きく減衰する。
残念ながらBAND=5はハ−モニック動作なのでTGは
対応できておりません。
Band=1 低域の減衰が大きくなりました。 | Band=2 |
Band=3 高域は落ち込みがあります。 | Band=4 外付けAMPが必要です。 |
TGの出力に大きなATTを使えば安定したリタ−ンロスを得られますが出力が小さく
なってしまいます。そこで現在は6dBを入れていますがBAND=3〜4ではリタ−ンロスが
10dBを切ってしまいます。そのためTG〜SPのケ−ブルを長くすると定在波が目立ちます。
(TGの出力に3dB程度のATTを追加すれば改善は出来ますがレベルが落ちます。)
ケ−スへの組み込みではTG/SPのSMA端子を直出しするのが お勧めです。
2005年 10月 8日 追記・訂正
TGモ-ドの時でスパンが1000/500/200MHzの時は測定ポイントが限定されています。
それでもTGとスペアナは同期がとれているので問題はありませんが この時のスペアナを
普通の測定に使用すると測定ポイントが飛び飛びとなっているので本来あるはずの信号が
欠落してしまいます。
TGモ−ドの時はスペアナ測定を行わないでください。 !!
TGモ−ドでLow-chがレベル不安定となる問題の詳細と対策
2005年 12月 29日
禁止事項
●SPユニット/TGユニットのSMAコネクタ−止めネジを外す事 厳禁です。
ユニット内部でナットが落下します。
リ−ド線でチップ部品に半田付けされているので電極剥がれを起こします。
2005年 10月 24日 追記
完成例
別ペ−ジに掲載しました。
使用例
スペアナ機能で測定する。
HOLD/PAUSE機能を上手に使う事が上達のコツでしょうか ?
TG機能で測定する。
BPFの周波数特性
AMPの周波数特性
SWRの測定